アメリカって・・・ビックリ!

17日 戻り日

02:00
ライヴ終了
なんだかんだでこんな時間

みんなはこの先2日間フリーの観光だが
僕とエマ君(もうひとつのバンドのベース)
2人は仕事の関係で翌朝ロスを発つ行程

ロス発 11:45便
国際線、現在のアメリカ事情を考えれば2時間半前
9:15には空港に着いていたい

現在、ロスから500キロ東のラスベガスにて2:00
もはや7時間前である

ロスの月曜日朝の渋滞は激しい、らしい
間に合うのか?
トゥットゥルーさん早く出発しないと!

ところがトゥットゥルーさん様子がおかしい?

ベガスのホテルの話&今から行くバーの話しをしている
しかも奥さんとその友人もいる

これからバー?ベガスに泊まるの?
確かライブ直後ロスに戻るはずでは???
奥さんとその友人・・・2人増えてる・・・

ご存知トゥットゥルー号は・・・
そう大きくもないファミリー・・・

もはや説明の必要もないだろう、

おそるおそる、
トゥットゥルーさんに今後の予定を聞いてみる

トゥットゥルーさんによると
「ベガスに泊まって、朝6時に出れば5時間後、
 11時にロサンゼルス空港に着くから、11:45に間に合うだろう」と・・・

この男、トゥットゥルー
国際線をわかっていない・・・
渋滞をわかっていない・・・
集合時間をわかっていない・・・
そして何よりも、
自分の車の乗車人数をわかっていない・・・

もはや、この男に頼っていては、
本当に日本に帰れなくなってしまう

この窮地どうする?

我々日本勢の出した答えは、

僕とエマ君2人でラスベガス空港からロスに飛ぶ
ベガス、ロス間は1時間だから
朝6時にベガス空港に行けば、なんとかなるだろう

トゥットゥルーさんも賛成し、僕らを空港もで連れて行くという

ちなみに僕とエマ君は今回のメンツの中で
最も英語のヒアリングが苦手な2人である

そして観光地なら日本語が通じる、
英語をゆっくりしゃべってくれる
という期待は、
ハリウッド、ベガスにおいては、ほぼ出来ない
結果として、全くなかった。

不安になる僕ら2人に対し
トゥットゥルーさん他、皆は

1・国内線は何本もあって、
2・乗り方もセキュリティーも簡単で
3・空いてるし、バス感覚

じゃあ安心!!?!!

だったら後・・・3時間
開き直ってラスベガスの街を楽しもう!
 

午前2時以降は
お酒禁止、真っ暗闇になるカルフォルニア州と違って
ネバダ州、ラスベガス、眠らない街!異常な照明!
ピラミッド型ホテル!本物の8割の大きさ、街全体がアトラクション!
 

ご存知カジノ!! デカイスロットマシーン!! 
  

もう肉は食べ飽きたが、
間もなく帰るのであれば、ビールにステーキ!!
案外美味い!

この後待ち受ける危機など知る由もなく、ベガス満喫!!
カジノをやる程の時間は無く、まもなく6時

05:50
ラスベガス空港に向かう、
もう渋滞が始まっている、
飛行機で帰るという、選択は正しかったかもしれない

06:30
ラスベガス空港着、映画で何度も見た螺旋駐車場!


3・空いてる
どこが!
朝6時台だと言うのに、もの凄い人、人、人、

2・乗るのは簡単
どこが!
トゥットゥルーさんですら迷ってる!

06:45
トゥットゥルーさん、我々のチケット、ゲット!
良かった・・・
帰れる・・・
チケットが手渡される、

あれ??????

このチケット・・・

10:20発って書いてあるでは!!!

トゥットゥルーさ〜ん!!!!
10:20発じゃ、全く間に合わないよ!!!

すると、トゥットゥルーさん
「OK!07:20便OK!」

ホント!?ホント!?リアリィ〜??
このチケットで07:20便に乗れるの?
って、もうすぐ7時だよ!

06:55
そうこうしているうちに、出発口へ案内され

「僕はもうこれ以上行けないから」と
トゥットゥルーさん、笑顔で去っていく、

3・バス感覚
どこが!
そのセキュリティーは何故かアメリカ入国時より厳しい!
荷物は全部空けられ、
2つのゲートを通り、1つでは、まるで
アメリカ映画の放射能検査みたいに、
プシューっとなにかしらを吹きかけられる、
勝手に歩くと物凄く怒られる、

無事通過、
言われた番号のカウンターへ

07:05
チケットを見せる
「スイマセン、私 望む 乗る 7:20便 お願い」
と英単語を並べるようにしゃべる

ソーリー 7:20便 トゥー メニー ピーポー 
いっぱいなので乗れません ゴメン、

・・・○※△・・・・しばし呆然・・・・

我に返る

え”〜〜〜〜〜!!!
マジ〜〜〜〜〜〜!!!
トゥットゥルー!乗れねぇじゃん!!!

ここでやっと理解
やはりチケットは10:20発のもの
がしかし、おそらく国内線の場合は、空いていれば違う便でも気軽に乗れる

要するに我々はキャンセル待ちなのだ!

マズイ・・・

日本語をしゃべれる人は全くいない・・・
携帯電話等もない・・・
我々は完全に孤立している。

カウンターの人にカタコトの英語で猛アピール!

「私達 乗らなければならない 何故なら 日本に帰る ロス発11:45で」

頼む通じてくれ、
いやぁ通じたところで、しょせんキャンセル待ちには変わりない・・・

そうこうしているうちに7:20便は飛んでしまった・・・

次の便は!!??

8:55!!
1・国内線は何本もある
どこが!
1時間半に1本しかないじゃん!トゥットゥルー!

これを逃すと、次の便は10:20
もうロス発11:45のチケットはパーになる、、帰れない・・・ 
ヤバイ・・・

もう1度猛アピール!!
ロス発11:45のチケットを見せて、
「次 望む 乗せて! プリーズ」と

すると
「OK!8:30カムバック!」と言って
なんか、MUTA EMA と書かれた文字を○で囲んだ!

MUTA EMAが認識されたようだ。

これで乗れるのか? それとも優先されただけなのか?
どちらかはわからないが、もはや待つしかない
待ち時間は1時間、
なるべく印象に残るように、カウンターの前をうろちょろする。
面倒くさい東洋人と思われれば、早く載せてくれるかもしれない
いやぁ待てよ、 、
嫌われて意地悪されても困る・・・ 笑顔だ!
いやぁ待てよ、、
アメリカで曖昧な笑顔はよくない

どうすればいいんだぁぁ〜!? ただ1時間何もせずに待てというのかぁぁ〜?

おっ、公衆電話の横にパソコンがある!
そうだ!ネットだぁ!ネットからヒントを得よう!
お〜1ドルで使えるのか!
あっ!5ドル札しかない!
いや、こんな時にケチってる場合ではない、
5ドル投入
・・・検索・・・
Yahoo! JAPAN
オウ ノウ!
文字化け…
日本語ソフトが入ってない…

かと思えば、
インド人風の女、メキシカン風の老人、やりてのビジネスマン風の男
様々な人がカウンターで、もめている、、、
その度に「トゥメニーピーポー」の声が…

なんてこったぁぁ〜〜!! コイツらみんなキャンセル待ちかぁ!

ベガスは空港は、待ちあいロビーにすらスロットマシンがある

こうなったら、ビール片手にスロットでもやるか!

どうやら俺はそこまでワイルドにはなりきれないのであった。

そうこうしているうちに

08:20
搭乗が始まった、
気が気じゃない、
言われた時間は08:30

08:30
約束の時間だぁ!
カウンターへ行ってアピール!!
「エキスキューズミー!私達はMUTA! EMA!」

するとカウンターの係員は
「Oh!MUTA! EMA!10 minutes later Please come」
え”〜!10分後に来い!・・・8:55発なのに・・・

08:40
約束の時間だぁ!
「エキスキューズミー!MUTA! EMA!Please!Please!」

するとカウンターの係員は
「Oh!1 minute wait・・・」
え”〜!1分待て!

ヤバイ、やはり本格的にキャンセル待ちなんだ!
あと15分で飛んじゃうじゃん!
飛行機は08:55便

08:41 08:42 08:43・・・

3分待ったぞ、
ダメかぁ・・・
ベガスで孤立・・・?
トゥットゥルーの携帯番号ですらいいから、、、
聞いておけば良かったぁ・・・

08:44・・・

08:45
「MUTA! EMA!」

呼ばれた・・・!!??

乗れるのかぁ!?乗れないのかぁ!?

「OK!」

ふ〜〜〜〜〜〜〜ぅ 助かった、、、乗れた、、、

飛行機は自由席、本当に満席、、、

緊張がほぐれて爆睡

10:00
ちょっと遅れて、ロサンゼルス空港着、

めちゃくちゃ広い・・・
奇跡か、全く迷わずに、国際線、東京行きへ
とはいえ急ぎ足でも、国内線からの移動に15分以上かかる距離、汗だく、

各種手続き、ゲート通過、荷物検査、
とはいえ国内線より甘い、
この国は入るのは大変だが、出るのは簡単なようだ

11:00
搭乗口に到着
これで完全に安心!

チケットには”11:15までに出発口へ”と書いてあった
わずか15分前だったようだ

いやぁ〜羽田ならまだしも、ロサンゼルスで15分前とは

エマ君と熱い握手!!


現在 飛行機内
時空を超え中なので何時というべきかわからない
11時間の旅 
十分に寝て、眠くもなく、
音楽も聴き飽き、本も読み疲れ
隣の、韓国語と英語をしゃべる”24K純金クレンジングソープ”と書かれた袋を抱えた
メキシカン風アジア人が気になりながら、
この日記を書いている

村上龍の本を読んでいる途中なので
気分はノンフィクション小説家

まだ眠くない

この後”あとがき”を書く事にする。