ナンバー2

 

私は以前このコラムの場を借りて衝撃のカミングアウトをした。

そう、"私にはものすごく霊感がある"と。

このカミングアウトは予想以上に多くの反響があり、そして多くの周りの人々を動揺させてしまった。

この場を借りて心から謝罪したい。

あの話全くの作り話、虚実、真っ赤な嘘である。

信じてしまった方々本当にすいませんでした。

そしてお詫びと言ってはなんだが、今回こそ衝撃の私の知られざる過去についてのカミングアウトをする。

なかには知っている人もいるかもしれないが、

私は以前漁師だった。

とは言ってもただの漁師ではない。

海の荒くれ者、肉食大型危険魚から漁師を守る、千葉県銚子港特別超大型危険魚撃退一係の総監部長。

略して銚超魚係のナンバー2だ。

当時私は、危険魚を撃退する様があまりに残酷でおそろしく、周りの隊員からは"鬼のまさ兄貴"などと呼ばれていた。

確かに私が危険魚と戦う様は周りから見れば恐ろしく残酷に見えたかもしれない、だが、なにも好き好んで危険魚の命を奪っていたわけでもない。

しかしながら、近年増加しだした超大型肉食危険魚「デンジャーサマージャンボ」(通称デンジャー)により多くの尊い漁師の命が奪われているいじょう、私は使命を果たさなければならなかったのだ。

私は宿敵であるデンジャーと戦っている時は我を忘れていた。
デンジャーを発見すると、いっさいの睡眠も食事もとらず、鬼の形相で戦い続けた。

ゆえに私は銚超魚係のなかでカリスマとなっていた。

そしてカリスマがゆえの孤独感も知っていた。

デンジャーの出没しない夜など、船内は隊員同士楽しく卓球大会などが開かれていた。
しかし私が参加すると、皆、気を使ってスマッシュも打ってこなかった。

そして私はだんだん皆と距離をおくようになった。

そんな私が唯一心を許せた相手は、世界三大危険海域でもあるインド洋のマダガスカルにあるセントマリー岬から、この日本の海域を救うべく赴任して来た、荒くれ酔いどれ漁師、権田原"サンコン"龍二だけだった。

彼は名前を見ればわかると思うが日系人である。

そして彼こそがこの千葉県銚子港特別超大型危険魚撃退一係のナンバー1・・・・・だった。

彼とは、昭和五十年、アメリカに現れた巨大人食い鮫ジョーズとの戦いで出会った。
その後、三度出没したジョーズ、そして巨大イカとの戦いでも一緒だった。

その様は、知っている人はあまりいないと思うが、なんと映画にまでなった。

龍二は酔いながら昔話をするのが好きだった。

私より十五歳も年上で、ここのナンバー1にも関わらず「あん時のイカ野郎と戦う兄弟はイカしてたぜ〜」などと、私の事を兄弟と呼び良くなついていた。

そして長いこと日本を離れていた割にはイカしたギャグを言った。

しかし、そんな権田原"サンコン"龍二はもういない・・・。

あれは五年前の事であった。

日本漁船から銚超魚係へSOSが入り、レーダーを見ると、銚子岬沖三百キロの位置に、なんと千五百匹ものデンジャーサマージャンボの群れが突然現れていたのだ。

そしてSOS信号を発信してきた五十隻あまりの日本漁船の集団はデンジャーの群れからわずか三十キロの位置にいた。

銚超魚係のスーパーエンジンを搭載した「スパーフライフィッシュ」をもってもデンジャーの群れから、わずか三十キロに迫ったに日本漁船を救出に行くのには、今からでは遅すぎた。

残された方法はただ一つ、まだ開発の途中である、時速五百キロで水中を移動出来る、波動魚雷ミサイル搭載の極秘潜水艦「S−57」を出動させる事だった。

しかし開発途中であったため、政府の許可が降りなかった。

しかしながら海の仲間を見殺しには出来ず、私は政府の処分を、いや死をも覚悟し、一人S-57に乗った。

すると龍二の奴が「兄弟冷てぇ〜じゃねえか、死ぬときゃぁ俺も一緒だぜ!」と船に乗り込んで来た。

私達はデンジャーの群れへと急ぎ、目前五キロにまで迫り、そして今まさにデンジャーの群れめがけ波動砲を発射しようとしていた時の事であった。

うかつであった・・・。

一匹のデンジャーが私達の下に回り込んでいた。

そしてS−57に向かって体当たりをしてきたのだ。

S−57は大きく揺れた。

それでも構わず発射ボタンを押したのだが、波動砲が発射しない!

今ので故障してしまった・・・。

すると、またもやデンジャーは体当たりをしてきた。

私達はその衝撃で船の外へ放り出されてしまった。

龍二が一匹のデンジャーに捕まった。

私はそのデンジャーにしがみつき眼を攻撃した後、何度もフックをくらわした、するとデンジャーはたまらず龍二を放した。

私は叫んだ「コイツは俺がなんとかする、お前はS−57で逃げろ!」

すると龍二はS−57に乗り込んだ。

私が眼つき攻撃とフックにキックで三十匹めのデンジャーをやっつけた時の事であった。

なんと龍二がS−57もろともデンジャーの群れに突っ込んでいったのだ・・・・・・。

私は叫んだ「やめるんだ!サンコン龍二!」

すると龍二は「俺が奴らをぶちのめすんだ!!それから兄弟!俺は本当はドラムを叩きたかったんだ!」と言った。

波動砲の威力は想像を絶していた。

デンジャーの群れはS-57、そして龍二もろとも消え去った。

龍二は自らの命を犠牲にし、日本漁船をいや日本を守ったのだった。

そして私はデンジャーの残党を倒し日本まで泳いで帰った。

その後私は龍二の意思を受け継ぎドラマーとなったのだった。

 

ゲストコラム 佐々木聡作 キーボーディスト

暑中お見舞い申し上げます。

No.2。第二の、二番目の、っつーことかな、ムタくん?
二番めって言ってもなぁ、そりゃイロイロだよなぁ。
順位を表すのかそれとも順番なのか序列なのか、ビミョーに違うし。

ほらムタくんともこの前やったよね。レコーディング。
こんな時によく言うじゃないですか。「1stテイクは絶対残せ」なんて。
 
ええと、その音楽製作の現場を見たことのない人も大勢おると思うので簡単に説明するってーとですね、まあたいていのレコーディングは(特にバンドもの)1曲を何回か演奏してその中の、イチバン出来のいいのを世に送りだすわけです。
 
歌もまぁ同じと言えます。いや、最近は反則スレスレの飛び道具もあるし同じとは言えないか・・・ってその話はまたいつかねっ!!
 
ということで、そう。未だに不思議なんだけど、一回目の録音を聞いて「ん〜、も一回!!」とか言って「二回目」の録音をしたりするとこれが一回目よりもたいてい魅力に乏しいシロモノが録れたりすることが多いんだよな。
 
何でなんだろう??そんなんだからミュージシャンにも黙って1stテイクをキープしちゃうミキサーさんもいるくらいだし。

確かに演奏の正確さとか間違えの少なさ加減とかは「二回目」のテイクなんですわ。

でも何!?このドンガラガッシャンな演奏ながら、素直に音がはしゃいでる1stテイクの好ましいバイブレーション。。。

通例この比較に悩みだすと・・・かくして始まるわけですよ。
「ん〜、ん〜、じゃも一回行こっ!!」とか言って3rdテイクに走り出し、後で頭冷やして考えりゃ〜今の自分達の技量では射抜けない的のドまん中に向けてこれでもかこれでもかの不毛な闘いが!!

こうしてバンド一同肩で息を切らして「もう一回攻撃」をくり返したあげく冷静なミキサーさんの「ねー、1回目に録ったのもう一度聞いてみない?」の声に聴いてみた自分達の「悩み一つ、迷い一つ無かったあのころ」の演奏・・・・

し〜ん。
「やっぱ・・・・・これに・・・しますか・・・・。」っておいっ!!今までの2時間は!?なんて怒るような事じゃなし・・・

ああ、何回くり返した事だろう・・・、って同じような話を先輩のミュージシャンに話して笑ってたら「そりゃおまえちょっと演奏力低過ぎだからだよ」って言われてギャフン(通じるのか?)となりました。そーなんです。確かに。
 
がっちゃんって少し前このコラムに登場したあの人ね。
実は彼はあれでもニューヨークレコーディングを経験したつわものなのですよ。
そん時の様子をあれこれ話してもらった中の出来事に『有名なおっちゃんギタリスト』がゲストミュージシャンでやって来てギターソロを録音した、ってーのがあった。
 
おっちゃんはイエローキャブでやって来て自分でうんしょうんしょとギターを運び、セッティングが終わって音が決まるや否や「じゃ録って。」

「もう一回」「もう一回」・・・計3種類の極上のソロを録り終わると「はい、1回目は○○風。2回目は××風。3回目のは△△風。好きなの使ってね。じゃ、さいなら」と、去って行ったという。なんだかすげーっすよね?
NYでは当然かもしれないけど。

三回が「どれも唯一無二」なわけですよ。
言うならば3つが3つとも「No.1」で「No.2」は無いわけだ。

近いようで大きい隔たりがあるんですかねぇ?「No.1」と「No.2」。
「No.2」を「No.1になれない」という受け止め方をする人にとってはこれは屈辱的なポジションらしいっすね。

イギリスの「No.1」を超えられないと思い込むばかり精神を病む程音楽製作に打ち込んだアメリカの「No.2」・・・・

オリンピックでイイ所まで行きながらいつも決勝で破れてしまう’シルバーコレクター’と呼ばれた「No.2」選手・・・・

多くの人々が、漠然とした自分の序列なんて強く意識してないけど少なくとも「No.2」とまで呼ばれるようになった人々は目の前に思ったより大きな「No.1」の背中を強く意識するみたいですな。

逆に甘んじちゃうタイプの「No.2」もいるらしい。
「No.1」ほど責任無いし、「No.1」ほどプレッシャー無いしってんで。でもこれはどうかな〜。なんかちょっと残念なカンジ。

ニューヨークのおっちゃんはどんな足跡を辿って来たのかなぁ・・・

ムタくんさぁ、いまオレたちナンバーいくつかもわからないけど、いつかステキに「唯一無二」なNo.1テイク、録れるようにガンばろうね!!

うーん「No.2」ってゆーか「2nd」っていうテーマになっちゃったかなぁ。

 

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