トランス


「トランス」(どうせなら、お酒でも飲んでから読んでください)

ドラックをしていると、だんだんトランス状態になるとはよく言うが、
そもそもトランス状態とは、どんな状態を言うのだろう、

   トランスアート、トランスミュージック・・・    

         頭がボッーとするような・・・   

    気持ちがいいような・・・
                 どこかに精神がいってしまったような・・・      
   グルグルグルグル回っているような・・・

あ〜そう言えば、あれがそうだったのか!などと書くと、

まるで私がドラックをやっていたのではと誤解されるかなぁ〜 などと考えていた、

けだるい午後の昼さがり、なにもやる気が起きなく、

このままじっとしてようかと思ったが、腹が減ったので、

きつい炭酸コーヒーを買いに行こうとしたら、

雨がポツポツ降り出したので、

先日、渋谷の丸井で買った、 ドライヤー模様の傘を手にとった。

玄関を出ると空は灰色、あたりはうっすら霧が出ていて、 どことなく気持ちが良かった。

近くのコンビニに行こうと玄関を出たはいいが、

家のらせん階段を降りても降りても、なかなか地上にたどり着かない。

確か家は3階のはずだった。

だいぶ眼が廻ってきたので階段に腰をおろして休んでしばらくすると、

下から3人の20歳前後と思われる、女性が上がってきた。

3人はそのままタレントにでもなれそうな容姿をしていた。

真ん中のひとりが、その大きな瞳で私の顔をのぞき込んだ。

彼女は透き通るような真っ白な肌をしており、

髪は、肩にかかるか、かからないかぐらいの綺麗な黒髪で、

腕にはコンセントのタトゥーが入っていた。

そして茶色い、今にも取れてしまいそうな小さな水着を着ていた。

「自分はなんのために生きているのだろう?なんて考えているでしょう」 と聞いてきた。

「えっ、なんでわかったの!」

などと話しを合わせたが、そんな事は、まるで考えてなかった。

かのように思ったが、聞かれてみれば、 考え出してしまっている自分に気ずいた。

1度頭の中を支配されると、なかなか元に戻らない。

   まだ、昨日1輪車に乗った羊が、すれ違いざまに歌っていた、
    ドラえもんの歌が頭から離れない。

「余計な事を話しかけないでくれよ」と言うと

右端の白いブラウスの女が

「私はあなたを写す鏡、この階段は地上に繋がってないわよ」 と言った。

わけのわからない事を言う女だ、とは思ったが、

とりあえず、このまま地上に行けなくては困るので、

3人の女にの後について、もう1度らせん階段を上がり、 エレベーターで下る事にした。

途中、左端の女のはくデニムのミニスカートが気になった。

息が上がったので、一度部屋に戻り、キッチンで休む事にした。

いつの間にか眠っていた。

ふと起きると、なぜか朝の8時だった、

妙な夢を見ていた・・・ような気がする。

起きようと思ったが、久々に金縛りにあっていた。

金縛りで死んだ奴はいない。

そう思い、あきらめて寝ていると、体が浮き上がった。

噂に聞いた幽体離脱。

どうせ、こんなの夢なんだから、とそのまま飛んでみた。

やはり外は霧雨。

さっきの3人が歩いている。

その後ろに、おじいさんと孫が歩いていた。

おじいさんは、真ん中の女の、小さな水着が気になっているようだった。

いくつになってもそうなんだなぁ〜と私はおもわず微笑んだ。

その時ちょっとだけ、よだれが出てしまい、下の子供に当たった。

子供が私に気がつき、私を指さして、おじいさんに言った。

「おじいさん、あれなーに?」

おじいさんは言った。

「おぉ〜お、あれはのう、人玉っていうんじゃよ」

すると子供が言った。

「さっき買った網で捕まえようか!」

私は、これはたまらんと、あわてて自分の部屋に戻ろううとしたが、

考えてみれば、飛びかたがよくわからず、 子供の網からは逃れたものの、

もう、こうして3日も飛んでいる・・・・・

炭酸コーヒーなんか買いに行こうとするんじゃなかった、

と後悔しつつも、風に流され、いつのまにか石神井公園まで来てしまった。

あまりに暇なので、なんで生きているのか考えた。

小さい頃、舞台を見て役者にあこがれた。

大人になったら自分も役者になって、 お金を儲けて、楽しい生活をすると決めた。

大人になり役者になれた、お金もある程度ある、25歳。

30歳になっても役者で生活できるよう、楽しくいきられるよう、がんばる。

30歳になった。現在も役者で食えている。

40歳になっても役者で食えるよう今日もがんばる、 将来のために貯蓄をする。

いったい、いつを楽しく生きようとがんばっているのだろう。

いつ、どこで、どうなりたいために、誰のために、生きているのだろう。

自分のためか、他人にどう見えるか、のためか。

いい車に乗るため、いい服きるため、誰に見せたいの?

稽古は苦しい、なんで、今日もまた苦しい?

楽しい生活は? 舞台が楽しい!楽しい?

ぶた う ぁ い こっち あっっ ち どっち す ぇ 
  何 の ぇ ためっっっっ・・・Zzzzz

気ずくと、また朝の8時だ。

でも良かった、空じゃない、ベッドにいた。

 

夢の中で夢をみている夢を見ていたのだろうか?
喉が乾いた。冷蔵庫には何もない。 コンビニへ行こう。

朝からきつい炭酸コーヒー、 んっ、いやジュースを飲みたい気分だった。

玄関を出ると、霧雨・・・でも気持ちがいい。

階段で行こっ、、、おっと危ない。

今度こそ現実のはずだが、 いちおうエレベータを使う事にした。

エレベータに乗り「1」のボタンを押そうとすると、

となりに妙な見慣れぬ深緑色をしたボタンがあった。

なんだぁ???

よーく見ると深緑色に白抜き文字で、こう書いてあった。         

            「押しても・・・
             いいんですか?」

   なんだそりゃ!! なんだよそりゃ!!  

ていうか、押そうとしてねぇ〜よ!!  俺は1階に行きてぇ〜だけだよ!   

なんだよ、押しても・・・いいんですか?って   
  まるで俺が押してぇみたいじゃん!!  

 ていうか、押してぇ〜  押してみてぇ〜
          押してぇ〜なぁ〜   

こいつなんで俺の心が読めるんだ・・・    
    押してもいいんですか?って、生意気な!!  

 そりゃ押したいさ!
      あ〜押してみたいさ!
           
悪いんか、押したら!  

押すぞ 押すもんか  押すぞ 押すもんか   押すぞ 押すもんか
     押すぞ 押すもんか  

「押す」ってこんな字だったかなぁ??    
    じーっと見てたら 変な形に見えてきた  

 押 押 押 押 押 押 押 押 押 押 押
  押 押 押 押 押 押 押 押 押 押 押  
  押 押 押 押 押 押 押 押 押 押 押
  押 押 押 押 押 押 押 押 押 押 押     

 押 押 押

わっ〜 わっ〜 わっ〜 押 こんな漢字だったっけ???

うぉ〜ボタンがっっっっっ 変色しだした!!!    
       赤くなってきた! 血のように真っ赤に!  
  もう押してやる!!!!!    
     どうにでもなれ〜  えい!   

   「クちュぅ」 変な音・・・

ドアが開いた。 そこは・・・  

1輪車に乗った羊と、厚手のコートを着たあぶらゼミが、   
ドラえもんの歌を口ずさみながらインドカレーを食べつつも、  
テレビの国会生中継に見入っている、    

そんな和風居酒屋だった。

まただ・・・ とりあえず、開きなおって注文した。

「生っ、あっ、いや・・・瓶ビール」

その瓶ビールは、瓶の横の下の方に飲み口が付いていた。

いったい今は・・・

夢から覚めても夢だった夢を見ていた夢から覚めたつもりの夢   
    を 見てっ ゆ みる ぁ ぉ さっめ ゅっ め・・・zzzz

「起きてください!終電ですよ」

あっ!もう着いた!電車降りなきゃ! 危ない、危ない、 また乗りすごすとこだった!

ていうかあなたはどなたですか???

彼女は電車の中だと言うのに茶色の小さな水着を着ていた。

 

ゲスト 井澤 雄逸  昨年秋 タイムスリップランデブーを脱退したギターリスト現在ドラマー川西と共に「615」で活動。

 

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〜俺のトランス日記を嫁!?〜

by 井澤 雄逸    

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・ 6月○日(曇りのち雨)/ ダブルトランス
◎TRANCE:[ トランス]:恍惚、夢中
◎TRANS :[トランス]:横断、貫通

ヤツは雨のなか、道路を『横断』するとあって、普段より視界が狭くなって いたのだろうか。突然私の前に飛び出してきた。これは普通には避け切れな いと判断し、急ブレーキに急ハンドル!濡れたアスファルトをスリップして ドリフトする俺はチャリ!「キィ〜ッ」というブレーキ音の後の一瞬の静寂 …そして、雨の音…素早く逃げ去った猫野郎。急ブレ−キの際に身体にかか った”G(ジー)”は、私にあることわざギャグを産み出させた。「雨降っ て地固まる」→「雨降って”G”高まる!」(ニヤリ)…。自分の暗黒ジョ ークに一人ほくそ笑み、まさに『恍惚』の表情を浮かべる私。
そんなトランスダイアリー初日。

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・6月×日(どしゃぶり)/ トランス系
◎TRANCE系:{トランスけい}:音楽のジャンルでハウスやテクノにプッチ
              感情的なエッセンスが加えられた、クラブ
              等に行くとDJが好んで廻したり…(後略)。

恐らく今回のコラムの趣旨は、コッチ系について書いたほうが、音楽家として 考えれば正しかったのだろうが、ソッチ系は「システムF」(アーティスト名、 しかも名前しか知らねー)や、「浜崎あゆみのトランスMIX」くらいしか解ら ない為、こうなったら今日はもう寝ようかなぁ、午前4時。

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・6月△日(曇り) / 変質車
◎TRANS FORMATION:[トランスフォーメーション]:変型、変質

そういえばね、俺の原チャリ(以下:俺原)がこないだ夜中にブッ倒れていて 、朝起きてから参ったな。と思ったのだけど、そん時にリアのブレーキレバー がスッゲェ折れてて、コレって『変型』じゃんね。そんで、今日バイク屋に修 理に行ったら、「あぁ、でもこれはイタ車っスからねぇ、パーツの取り寄せに なると何ヶ月かかるか分からないし、見積もりも今スグというワケには…代金 も送料込みだと結構…」ってカンジでなんか面倒臭いんで、取りあえず、見積 もらせて、プッチムカついて、でもブレーキかける時は、半分くらいになっ たレバーを慎重に引く俺さ。

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・6月☆日(晴れ)/  市ヶ谷の不運
◎TRANS GRESSOR:[トランスグレッサー]:違反者、反則者

とゆーような事があった為、原チャリに関しては慎重な俺さ。しかしそれはあく までも本体に対してであって、本隊に対してはそうでは無かったお話。 天気もイイのでリハには勿論”俺原”で出動!スタジオに行く途中には、交機( 白バイ野郎)の本部があり、本隊の連中が沢山いるのだが、別に普通に走ってい るぶんには何の事はない。ところがね、やってしまったよ、右左折法違反(^^).。 隠れて見てるなんてズルイよね、えぇ、今年2度目の罰金ですよ。

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・6月♀日(梅雨イヴ) /  本屋句
◎TRANS LATE:[トランスレイト]:翻訳する

歌詞を書く為の資料を佐賀市に…いや、探しに、本屋に行ったのだが、偶然レジ で見つけて予定外に衝動買いをしてしまったな。そんで、タイトルがスゴイもの。 「歴史を変えた誤訳」!えぇ、実は結構な歴史フェチです!ただそれだけです! 内容はタイトル通りで、ポツダム宣言受諾にまつわる事や、それ以外のいろいろ は大変面白く……なので興味のある人は本屋さんへGO!

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・6月♪日(ほんつゆ) /  タンスに轟音?
◎TRANSITION:[トランジション]:移り変わり、変わり目

このコラム(?)を書くにあたって、毎日の出来事を何かにつけ、”トランス” と結び着けつつ過ごして来たこの1週間も、明日で最後さ。とゆーか単純に明日 が締め切りなのですから。う〜ん頭の中は”トランス”という虫に完全に支配さ れてしまったのか俺!そうだ、防虫にはアレだ!沢口靖子の例のヤツ!「タンス にゴン」!アレしかない!「タンスにゴン、タンスにゴン」→「トランスにゴン 、トランスにゴン」…さぁ、皆さん御一緒に!…おい、待て、逃げるなみんな! やぁ、俺がこんな事ばかり考えている間に、東京はなんだか梅雨入りしており、 季節の『移り変わり』とやらをまざまざと感じてしまったものだなぁ。

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・6月〆日(締め切り) / サルティン蛮行
◎TRANCE:[トランス]:夢中、恍惚

そう、それ位”トランス”に『夢中』になってしまったこの1週間なワケだが、 結局、お前って奴ぁ、日常生活の中にここまでも密接した、しかも様々なカタチ で、そこらじゅうに転がっているモノだった事に最早疑う余地はない。 素敵なトランス、魅惑のトランス、今日の下着はトランクス……。 明日からも私は、きっと何かに夢中になり、そして、その喜びを感じる度に、又、 恍惚のタイトロープを渡るのだろう…トランスとうまくバランスを取りながら。


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         あとがき

てゆーか、「一般の人々の日常会話の中に”トランス”なんていう言葉は 、どれくらい浸透しているモノなのだろうか?」という観点からリサーチ を開始した私だが、そもそも〜(中略)〜ったので日記風にしちゃったよ みんなは楽しく読めたかな?ふ〜ん、なるほどね。そういえば、結局,etc…

ゆうさま(飲み友)

 

 

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