都 会 で キ ャ ン ピ ン グ

 最近「屋台が女性に人気」という話題を耳にした方、多いのではないでしょうか。

 実は私も、1年程前から、屋台にはまっているのです。屋台と言っても、一升瓶の傍らでコップ酒を片手におでんをつまむ・・・、というのとは、ちょっと違います。。

 普段私は、JR田町駅を中心にして、事務所や自宅がある為に、田町周辺には度々出没します。去年の夏、その屋台をみつけたのは、本当に偶然ことでした。

 オフィスビルが立ち並び、倉庫街とも呼ばれる田町、芝浦近辺に越してきて7年目の夏。たまたま、過ごしやすい天気に気を良くしていつもはタクシーで帰る距離の道を夜風に吹かれたくて、散歩がてらに歩いていた時のことです。小さな橋を渡る手前に手書きの文字で「バーを始めました。」という黒板を見つけました。そこには矢印が描かれていたのですが、その方向を辿っても、お店らしいものは見当りません。目に入ってきたのは、最近綺麗に舗装された川沿いの遊歩道と路上駐車の並ぶ、広い道だけ。キツネにつままれた気分でそれでも、とりあえず矢印が示す方向へと歩いてみることにしました。するとなにやら人陰を発見し、もしやと思いながらも近づいてみると、確かにバーがそこにあったのです。

 キャンピングカーの中から「こんばんわ」と顔を出したマスターに、「ここで飲めるんですか」と恐る恐る訪ねてみると、「どうぞ、どうぞ」と川沿いの公園に簡易式の椅子とテーブルを準備してくれました。

 その時点で私の気持ちはすでにドキドキ、ワクワク。せっかくお金をかけて鋪装されていた遊歩道もいつも人通りがなく無駄なものとさえ思っていた場所です。ところが見慣れていたはずの、景色が突然、避暑地にでも来たかのように新鮮な景色に変わりました。

 そこで出逢った地元の人たちとの会話も弾み、私はこの土地に住んで7年目にして初めて知る街の魅力に少々興奮してしまいました。

 翌日、目が覚めた時、前夜のバーを思い出すとなんだかそれは、夢の中の出来事だったような寂しさにおそわれ、仕事に向かう途中にその道を確認しましたが、やはりそこはただの人通りのない公園に戻っています。その日、夜になって仕事を終えた私が、またそのバーに顔を出した事は言うまでもありません。以来東京で仕事をしている時は、ほとんどそこに寄り道してしまう習慣がついてしまいました。

 広い意味でのキャンピングカーを利用したバーも屋台として考えてみると、日本にはオープンテラスのカフェが流行るよりずっと以前から、外で飲む、食べるは定着していた事に気がつきます。今まではどうしても屋台は男性に占領されがちでしたが、オープンカフェの影響もあり、女性もその魅力を知る事となりました。最近は本当におしゃれな屋台が増えている様です。屋台の面白さは、ただ単に食べ物が美味しいから、という理由だけでなく、私にとって一番の魅力は、その土地に関わる人達とのコミニュケーションにあります。マンション暮らしで、隣に住む人の職種さえ知らない事が珍しくない都会生活の中ではとても有り難く感じます。

 ただこの屋台。どうやら警察との仲はあまりうまくはいかないらしく、どの屋台も警察とのにらめっこは付きものだと聞きます。実際私も何度か遭遇しましたが、警察官も色々で、内心応援してくれる人もいれば、頑に退去しろと言う人もいます。それが又地元の警察官の顔を知るきっかけともなりましたが、どうか、日本の国から、屋台が無くならない様、そして法律できちっと守られる文化として生き続けてくれる事を願う毎日です。

 


 

 

 

 

 

 

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