芸 能 界 の 同 志 た ち

「芸能界での交友録をおしえてください。」よく聞かれる質問なので、ちょっと改めてかんがえてみたら、その答えはけっこう難しいものでした。

 仕事仲間としてはとても仲の良い素敵な芸能界の友人は沢山いてもプライベートとなると、そこまで深入りしておつき合いしている芸能人は本当に限られたひとたちです。

 私が思うには、芸能界には「仕事を離れてまでも芸能界が好きな芸能人」と「仕事を離れた途端に芸能界に気後れしてしまう芸能人」の大きく分けて2種類の人たちがいると勝手に判断しています。芸能界で働く私の友人達は圧倒的に後者に属する人たちなので、自分達の認識のなかでは芸能界にとけ込めないなどと言い合いながら、客観的にみるとかなり芸能人が集まっていたりすることもあるわけで・・・。

 何が言いたいのか分かりにくくなってきましたが、つまり私自身のなかに芸能界の友人という言葉に違和感があるのでしょう。

 私の職業である女優業は仕事が決まる毎に新しい出合いがあり、一つの作品を作り上げるまでには役者、スタッフが一丸となって毎日仕事場で顔を合わせる事になります。その間に迷いがあれば助け合い、仕事の延長で飲みに行けば盛り上がり、出会えたことの喜びを実感する事が多々あります。これは、映画や舞台の仕事の時にはより強く感じられます。「これを縁にこれからもおつき合いして行きましょうね。」という言葉は数限り無く交わしてきましたが、実際には仕事の完成をきっかけに実現出来ない事のほうが多いものです。決して上っ面な気持ちではなく、その時はそう本気で思うのですが、翌日からはそれぞれが別々の仕事場へと向かい違うスケジュールの中で新しい出合いをしていくのですから、お互いに遠慮してしまう結果とも言えます。だから仕事を通じて出逢った同業者との交友は、よっぽどの縁がなければ続かなくても当然であり、私はかえってそのほうがさっぱりしていて好きだったりしています。

 最初に限られたひとたちと書きましたが、よっぽどの縁に恵まれた芸能人の友人とは仕事を離れてもそれぞれにとても好いペースでおつき合いを続けています。

 よく聞かれる志村けんさんとも共通して好きなお酒を通して「笑い」のなかにどれだけ細やかな芝居的要素が含まれているかを教わります。仕事の愚痴や夢を話していても、話が尽きないのは、仕事の分野が微妙に違うせいもあるのでしょう。志村さんもまた、プライベートとなると、芸能界に気後れする人の代表のようで、派手な芸能人とすれ違うと気後れしているしぐさが印象的です。初対面では無口で恐そうに見えた志村さんともあっという間に10年来の飲み友達となりました。

 そこから遡る事12年、つまり22年前になりますが、3年B組金八先生によって得た友人関係も今では大切な財産となり続いています。

 女優として生きて行くきっかけともなったこの番組に対しては、実際に卒業した学校以上の思い入れが出来てしまったようにも思います。33名の同級生達は各々に仕事や家庭を持ち、俳優業を続けている仲間もいます。

 当時の役名をそのまま芸名に代えて、今でも金八先生に出演している大川明子さんは、役柄同様にリーダー格で、途切れがちな友人たちの絆をしっかり繋いでいてくれています。芸能界の友人たちを、「戦友」あるいは「同志」と表現するひとがいますが、10年、20年続いてきた友達とは本当にその言葉が似合う気がします。これからは「芸能界の交友録」ではなく、「芸能界での同志は?」と聞いてもらおうかしら。それはそれで沢山いて、困ってしまいそうだけど・・・。

 


 

 

 

 

 

 

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