SHORT ESSAY
   


 

 「 パ ニ ッ ク 症 候 群 」 と
            ビ ニ ー ル 袋

 ここのところ、地方都市での仕事が多かった私は自宅で過ごす事がほとんどなく、約2ヶ月半を経てやっとまとまった休みが出来た時には、冷蔵庫は空っぽ。夫独りで守ってい部屋はどこか閑散とした状態でした。

 そんな訳で、ストレス解消とばかりに休日第一日目は大掃除から始める事にしました。

 これはかなり大きなイベントとなりますら、格好もそれなりに、捨ててしまおうか迷っていたTシャツに着替え、手には手術用のゴム手袋(これは便利です)。当然化粧などする訳ありませんから、バックミュージックには、優歌団の「お政治オバチャン(私にはどうもお掃除オバチャンに聞こえるので掃除が盛り上がるのです。)」をかけて徹底的な掃除となりました。

 お昼も過ぎて2時頃には、一段落し今度は食料関係の補給に入りました。冷蔵庫を充実させるためにも、まずは酒屋さんに連絡。配達を頼んでから、家に残っている空き瓶を外に出しておこうと玄関を開けた時に、事件は
起こりました。

 私の家は24階建てのマンションは1つの階に10世帯程が入っているのですが、エレベーターホールまでには吹き抜けの廊下が続いています。そのエレベータに近い場所に位置する我が家の玄関を開けた瞬間、目に飛び込んできたのは、廊下にうつ伏せに倒れた人の姿だったのです。

 予期せぬ光景に、見てはいけない物を見てしまったかのごとく私は開けかけたドアを咄嗟に閉めて、今見た状況を頭の中で再現しながら、次の行動を考えていました。

 ドラマには、よくあるような場面ですが、その場合は「ドアを開けたA子。ハッと驚き大丈夫ですか?と声をかける」と流れていくのでしょうが、現実にはそうはいきません。反射的に防衛本能も働くのでしょう。まずは安全な場所に戻って状況を把握しようと、ドアを閉めた訳です。

 一瞬だけ目にした光景から、情報を探してみると、倒れていた人はスカートらしき物をはいていた気がするので女性ではないかと言う事。出血していた様子もなかったので、事件せいはとりあえず無さそうだと言う判断に至り、再度落ち着いてドアを開けてみる事にしました。

 相変わらずうつ伏せている女性は床に顔をつけたまま荒い呼吸をして動きません。傍らに独り男性がいて、途方にくれた様子したのでここでやっと「どうされたのですか」と声をかけてみると、仕事で訪ねてきた女性が突然発作を起こしたということでした。「パニック症候群」別名「過換気症候群」

 私にはピンとくるものがあったのですが、素人判断で間違った行動を起こす訳にいかず、取りあえずは救急車を呼び病院に運んでもらいました。救急車を見送り我にかえると見事な「お掃除オバチャン」の姿に赤面してしまいましたが、後日挨拶に来られたその男性から話を聞いたところやはり、過換気症候群の発作だったそうです。

 実は私自身、この発作に悩まされていた一人で以前、同じような状態に陥った事があるのです。仕事する女性に多い現代病の一種なのだそうで、その名のとおり、呼吸をし過ぎてしまう為に全身がしびれてしまう症状になるのです。しっかりしなければと思う程パニックを起こして酸素を吸い過ぎてしまうため、そんな時の為に常にビニール袋を持ち歩き、発作が起きたら自分の吐いた息だけを吸うようにして二酸化酸素を取り入れる様心掛けていました。とにかく落ち着く事が重要な様です。原因はまだわからず、光化学スモッグの影響だとも言われていますが、意外に増えているこの現代病。病気でもないのに、何かのきっかけで呼吸があがりおかしいなと、思ったら慌てずにまずはビニール袋、と覚えておいて下さいね。

 


 

 

 

 

 

 

 

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