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2 0 1 1 年 5 月 3 0 日
1966年
2月
スウェーデン、ストックホルムで生まれ、幼少期の一時期を暮らした経験もあることから、様々な面で、そのライフスタイルなどの質問を受けてきました。
最近では、IKEAやH&Mなどの日本での知名度が上がっていたところに、「原発」に対する政府の対応面からもスウェーデンという国への注目が急速に集まっているようです。
取材を受けるたびに、また以前書いたエッセイ集「ストックホルムからの手紙」のなかでも私の感じるスウェーデンの印象を「自立した大人の国」という言葉で表現をしてきましたが、日本が震災によって天災から人災に変わろうとしているこの状況に直面して、改めてスウェーデン人の
意識の高さを教えられます。
正直なところ、スウェーデンと深い関わりを持ち、たびたび訪れることで街の美しさや、人の温かさ。
自然の豊かさに感謝し太陽を慈しむ人々の生き方に憧れを抱いてきましたが、その根拠となる国の政策などについては、ほとんど何も知らずにいました。
先日5月26日。
スウェーデン大使館で行われた講義「スウェーデンの原子力政策〜福島第1の影響」と、フィンランドで実際に計画されている放射性廃棄物の永久地層処理場のドキュメンタリー映画「100.000年後の安全」は、とても衝撃的なものでした。
講義の前半が英語だった為に私の語学力では追いつけず、講演後に個人的に調べた事を含めて、この場で少し紹介したいと思います。
まず、原発問題にたいして、スウェーデンが取り上げられる一番の理由は、世界で初めて1980年の国民投票で、2010年までに原発を廃止しいていくことを決めたということだと思います。
後の2009年に、2010年までに撤退というのは、現実的に不可能という結論を出しましたが、まずは国をあげて取り組むという姿勢が、いかにもスウェーデンらしい点だと感心させられます。
時間的に不可能だという結論には至りましたが、現在も現実的に可能な範囲でエネルギー転換を進めていこうとしています。
日本と違い地震もほとんどなく、ダイナマイトが発明されたほど固い岩盤であるにも関わらずです。
もちろんスウェーデンにも、原発賛成派の人もいますが、国としての方針は既存の原子炉(12基のうち2基は廃棄)の更新は許可するが、国として援助はせず電力会社の経済的判断に任せる。
国は再生可能なエネルギーへの投資に対して積極的な経済支援を行っています。
今回の講義では、福島原発事故を受けて、スウェーデン人の意識がどう変わったかの調査も紹介されました。
この意識調査は2011年震災直後に行われています。
| 原子力反対 |
= |
2008年15% |
・・・ |
2011年36% |
| 現状維持 |
= |
2008年33% |
・・・ |
2011年36% |
| 原子力賛成 |
= |
2008年47% |
・・・ |
2011年21% |
調査から、反対派が2倍に増え、賛成派が半分以下になっていることがわかりますが、
一方で、
「あなたがスウェーデンの原発に対する信頼は?」という質問には
| 非常に大きい |
= |
17% |
| かなり大きい |
= |
55% |
| 少し、もしくは全くない、をあわせて |
= |
25% |
これは日本での原発事故を受けても、スウェーデン国内の原発に対しての信頼はほとんど変わりがないという結果が出ています。
これほどまでに、国との信頼関係が成り立っているスウェーデンの原子力業界の特徴は以下のようなものだそうです。
| 1.自国の設計であること |
= |
プラント全体を把握している |
| 2.独立性(心) |
= |
事業者や製作者などとの癒着追放 |
| 3.高い透明性 |
= |
高い信頼感。迅速な手続き。その一方で守秘事項の徹底順守 |
| 4.公平性(心) |
|
|
| 5.多様性。柔軟性 |
= |
出る杭はのばす社会である |
| 6.進んだ分権化 |
= |
各プラントの所長は予算と人事権を持つ |
| 7.進んだ制度 |
|
|
| 8.高い挑戦心。冒険心 |
= |
世界初の国有安全炉 |
| 9.高い技術力 |
= |
世界でもトップレベルのプラントの放射線量の低さ。データベースの蓄積 |
| 10.恵まれた自然条件 |
= |
地盤(岩盤)が堅牢でかつ、地震がほとんどない国 |
ここに挙げられた特徴は、原子力業界に限らず、スウェーデン社会全体の特徴とも言い換えられると思います。
出る杭はのばすという社会は日本人にとっては、とても難しく感じられるのではないでしょうか。
震災以来、日本では日々伝えられるニュースから国への不信感がつのる一方ですが、私達自身も意識を高く持って、これからの節電を含めて、生き方をもう一度見直したいなと考えています。
これからも少しずつ、スウェーデンの挑戦を伝えて行けるように、心がけて行きますね。
たとえば、「スウェーデンの5歳児の半数がインターネットを使っている」なんてびっくりする情報なども!!
そして「チェルノブイリ事故後のスウェーデンの対応」なども調べてご報告したいと思います。
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