海部元首相が自らこの疑問に答えています。
「三木内閣の官房副長官の時、『スト権スト』と言うのがあって、首相官邸へ泊り込みの状態で、朝晩、記者会見したり、テレビの討論会にでたりの日が続いたのです。
洋服も、ネクタイも、着た切り雀という言葉の様に同じ水玉
のもので八日間ストが終わるまで出てしゃべりつづけたわけでしょう。そういうことから、あんたは水玉
のネクタイをしておるようだから水玉をあげますといって送って下さる人が出てきたわけです。それで私は、いよいよ水玉
が好きになってしまったわけなんですが、なぜ好きかと言われたときに、とっさに言い訳がないので、白星は何でも縁起がいいや、相撲取りでも見ろ、白星が続いたらいいじゃないかと(笑)。こう言っておりました。だんだん定着してしまったというわけなんです。
いまではもう地方へ行ってもそうですよ。講演に行っても水玉
をしていないと、今日はどうしてしていないんですかといわれるんです。ですからもうこうなったら、それで徹しようと思うんですよ、私は。」
(雑誌『政財界』五十三年二月号より)
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